英ポンド/円相場は、1月2日の1ポンド=174.85円をピークに、足元では170~172円水準に新たなレンジを形成しつつある。年初からのリスクオフの流れの中、昨年末の急激な円安に対する修整圧力が強まり、13日には168.35円と昨年12月18日以来のポンド安・円高水準を更新した。しかし、その後は株高連動で再び円売り圧力が強くなっており、改めてポンド/円の底固さが確認されつつある。
イングランド銀行(英中央銀行)は9日に開催された金融政策委員会(MPC)において、政策金利であるレポ金利を過去最低の0.5%に据え置くことを決定した。資産買い取りプログラムの規模も3,750億ポンドで据え置かれており、特に政策変更は行われなかった。英経済の回復傾向が力強さを回復する中、政策変更の目安とされる失業率7%が予想以上に早いペースで実現する可能性があり、22日発表の議事録でMPC内でフォワードガイダンス強化の動きが確認されると、一時的にポンドに対して売り圧力が強まる可能性はある。12月の英インフレ率は前年同月比+2.0%と約4年ぶりにイングランドの目標水準まで低下しており、インフレ環境の面でも英経済は安定化傾向を強めていることが確認できる。
もっとも、年初から調整色が強くなっていた株式市場で安値是正の動きが強まる中、円サイドからポンド高・円安圧力が強まり易い環境になっている。まだ中国の政策引き締めなどに対する警戒感が根強いが、先進国の株高傾向がこのまま再開されれば、ファンドの円売り再開でポンド/円は直近高値を試す方向性が想定される。
テクニカルでは、一目均衡表の基準線(170.72円)水準が支持線として機能している。同水準の下は雲上限の165.83円となるが、短期的な過熱感解消で下値不安は後退している。サイコロジカルは、前週の7勝5敗から5勝7敗に。14日RSIは53.94。